三次元彼氏。
「きゃーー! すごい! そっくりっ!!」
腕を組み彼女を見るようなポーズをとらされた後、それを引きで見たほのかからは、今まで聞いたことも想像ついたこともない声が発された。
ま、待ってどういうこと………?
「…あの、」
「……っあ、すみません! つい…あまりにも似ていたので、嬉しくなりすぎてしまって……」
「似てる……?」
「はい! これ、宗ちゃんそっくりじゃないですか!?」
改めて先ほどのページを見た。…………が、似てるのか…? この男の人と僕が………??
……あ、そういえば、
「…もしかして、前にカラオケの帰りに似てるって言ってたのって、これのことですか?」
前に早瀬達と4人で駅前のカラオケに行った帰り、彼女に名前を聞かれた時に、似てるとか何とかって言っていた気がするのを思い出した。何の話かはその時訊かなかったから解らないままだったけど。
「…あ、そうです。…って私そんなこと言ってましたか?」
「え…いや、たぶん」
「すみません、あまりにも似てたので気になって言ったんだと思います」
そう言うと彼女はまた、そのページと僕を交互に何度も見た。
「ホントにすごい似てます! 本物みたい! 三次元みたい!!」
「……」
僕にはよく解らなかったけど彼女があまりにも嬉しそうに笑うので、僕はそんな彼女の顔をしばらく見ていた。
( 僕は三次元 )