三次元彼氏。
「てかもうこんな時間じゃん。3講どこだっけ講義室」
「……303じゃなかった?」
「げー3階まで上がんのきちいー」
「何言ってんのサッカーやってたくせに」
「そんなん小学校の時の話だろ、もうあんな体力ねえよー」
早瀬と天音さんが話しながら皿を戻しに席を立ったので、僕もごちそうさま、と手を合わせて立ち上がる。
「……ほのか?」
「……っあ、すみません、行きます」
スマホの画面を真剣に見ていた彼女は、僕が声を掛けるとそれをポケットにしまい、席を立った。
「……さっき、何を真剣に見てたんですか?」
「え?」
講義室に向かう途中で、さっき少し気になったことを訊いた。
「…あ、これのことですか?」
そう言って彼女はポケットからスマホを取り出し、先ほど見ていたという画面を見せてくれた。
そこには、時間割が表示された画面が映っていた。
「さっきガッキーに講義室の場所答えた後で合ってるか自信なくなって、これ見てました。ばっちり合ってました」
…そうだったんだ。
わざわざ確認してたなんて、優しいな。
「…あ、宗ちゃんこのアプリおすすめですよ、結構使いやすいです」
「アプリ?」