私立秀麗華美学園
ご飯もとっくに炊き上がっていたので適当に皿を選んで体裁を整え、雄吾を起こした。

箸を並べて席につく。俺たちは神妙な顔をしていた。
雄吾がさじをとって1人でいただきますと呟いた。3人、特に咲の視線が突き刺さる中でおかゆを口に入れる。


「ど、どう?……」

「…………おかゆだな」


しーーーんと沈黙。一応雄吾の言葉の続きを待ってみるが出てはこなかった。そのまま黙々と食べている。


「……一応成功かな?」

「いいんじゃねそれで」

「おかゆにはなったみたいやし、まあいっか……?」


小声で話していた俺たちも箸を持った。
必死で作った咲にしてみれば少し残念な感想だったかもしれないが、体調もよくないことだし、しゃあないか。
そこで雄吾に詰め寄るほど咲も子供じゃない。

いただきます、と呟いて自分たちの料理に口をつける。


「サラダはドレッシングの味だからいいとして、お米ちょっと固いかな」

「でも全然食べれるし。それより魚危なかったなあ」

「ほんとにな。皮焦げてるし。味噌汁は出汁とったのに比べりゃあれだけど、まあまあうまい。大根ふにゃふにゃだけど」


口ぐちに感想を言い合う。雄吾の作ってくれる同じメニューが100点だとしたらたぶん俺たちが作った今日の料理は20点ぐらいだけど、それはそれでまずいということもなかった。
メニューがメニューってこともあるけどな。


雄吾にもちょっと食べてもらったりしつつ食事を終えた。雄吾からの感想はまあまあ、とかそんなんだった。ちゃんといろいろ言ってもらえるのはまたの機会かな。

皿を重ねながらゆうかは、


「片付け、しておくから咲は雄吾のところいていいのよ」


咲はぱっと顔を輝かせ、ベッドに入った雄吾のもとに駆け寄った。


「甘やかしちゃっていいんですかねえ」

「うーん、まあなんか雄吾今日ちょっとそっけないし、咲なりに不満そうだからいいかなって。雄吾も今眠っちゃうと夜寝れなくなっちゃいそうだし」


雄吾の睡眠事情にまで気を回していたゆうかを素直にすごいなと思った。皿を運びながら口元がゆるむ。


「えっ、ちょっとなんで笑ってるの?」


ゆうかは最近めざとい。


「えーっと、ゆうかはやっぱり素敵な女性だなあと思って」

「な、何なのよその笠井みたいなセリフは」


意識してやっていたから大笑いする。

でも思ったのはほんとのことだ。
笠井ならではの言い回しにのせて本音を言うと、ちょっと冗談ぽくなって、これはいい口上だなあと思った。
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