私立秀麗華美学園
「どわあー……疲れた……」


特訓を終え、ただいま9時前。
勉強時間約5時間。なんて頑張ったんだ、俺。


「普段、しなさすぎなんだ」

「その割には頑張ってるよなー」

「勉強時間と順位はしっかり比例している」


けっ。わかってら。


とはいえ、この俺でも平均点は恐らく60以上ある。

問題が問題なだけに500点で満点のやつは珍しいが、平均90超えたって、悪けりゃ50位以下の時もある。

たった1点が命取り。厳しい世界である。


「教えてもらえるだけありがたい」

「そりゃーなー」


ありがたくは思っております。


「……お前が今回、急にあまり有効とは思えない努力をし始めた理由は、何なんだ?」


……あまり有効とは思えない努力。
そう思われていたとは。


「ゆうか絡みだよ」

「それは聞いた。言いたくないなら、それでいいが」


うん、まあ別に、秘密主義者でもないし、あっさり白状させてもらいます。


「えーと、笠井と、勝負することにした。中間の順位で」

「なにゆえそんな無謀な挑戦を……」


なにゆえってほんとお前が何者だよ。
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