俺のボディガードは陰陽師。

ひとりでそんなに悲しむな

★★★









本当に、何なんだあの女。

無茶苦茶すぎるぞ…!



結局、椎名先輩と俺で、ゴリラ先輩を保健室に連れて行く。

鈴代なずなによる被害搬送、これで三度目だ。…俺、搬送処理係?

保健室の麻倉先生は「またなずちゃんなのー?男子の皆さんは気を付けなさい!」と、ぼやきながらゴリラ先輩の頭をアイスノンで冷やしていた。

そして、ゴリラ先輩に「橘くんごめんね。保健室に連れてきてくれてありがとう」と、なぜか感謝される。

そう来ると俺だって「カノジョに手を出してすみませんでした…もう二度と致しません」と、謝るしかないだろう。

俺達の仲は万事解決…?

やれやれ。









そして、家に帰ってから、踵落としの張本人に物申す。

だが…。




「で、許してもらえたの。よかったじゃんか」

「………」



何もよくない。



「何でそう出しゃばってくるかな…」



風呂上がりの美人なすっぴん顔で、キッチンにある冷蔵庫からレモン炭酸水を取り出して飲んでいた鈴代なずなに。

キッチンのカウンター越しに、そう呟く。

すっぴんやっぱり可愛いな…なんて、思いながら。



すると、即答。



「何でかって?それは、私は伶士の用心棒だからだよ。伶士に何かあったら困るでしょ」


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