松姫様からの贈り物


でも私で力になれる事があるなら……助けたい。


「柏木くん」


「ん?」


あれから少しずつ言えるようになったんだ。きっと、大丈夫……。


「私は大丈夫。それに私がみんなの力になれるなら──私はみんなを助けたいから……お願い」


私は柏木くんの目をじっと見つめた。


「………」


少しの間、沈黙が流れたあと、頭上から深いため息が聞こえた。


「…はぁ。本気なんだね、竹下さん」


柏木くんの問に対して、私はゆっくりと頷いた。


「しょうがないな。じゃー俺も勉強見てやるよ」


え……?


言葉の意味がわからなくて頭にはてなマークを並べていると柏木くんが私の頭を拳でコツンと軽く殴った。
< 80 / 110 >

この作品をシェア

pagetop