花印†blood
すっかり忘れていた。
刹那様は契約のことをあまり話さなくなっていたから。
「貴女がすごく邪魔なの。本来なら、私があの方と生涯を共にするはずだったのよ?本当に憎たらしい。今ここで一滴残らず血を吸ってあげましょうか。………それとも…」
そぅ不気味に微笑みながら話す女性は、一歩、また一歩と私に近づいてくる。
彼女の手がのびてきて、瞬間、私の視界は閉ざされる。
「暫くの間、眠っていてね」
そう囁かれたのを聞いたような気がした―…