花印†blood



「くりすの気配が消えた。」



そう言った刹那の声の低さにコウは身体を震わせてしまった。


「気のせいでは……」



「お前は俺の言うことが信じれないのか?くりすは俺のものだ。そう昔から決まっている。」


そう妖艶に笑う姿は目を奪われ、時が止まってしまう程美しい。


しかし、目は笑っていない。その瞳にはとてつもない怒りがうつって見えた。



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