。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。
店にたどり着き、ロッカールームで着替えを済ませて、ちょっと早めについたあたしたちはミーティングまでロッカールームで暇つぶし。
「朔羅、今日終わったらどっか遊びに行こうぜ~
こないだMIRACLEランドのとき変な終わり方しちまったから、仕切り直しだ」
と戒が言い出し
「あ、ごめん。あたし今日エリナのお家に遊びにいく約束しちゃった」
「ぇえー」と戒は不服そうに口を尖らせているが、そんなスネてる戒をほったらかして
「今日は“決戦の日”なんだよ!気合い入れなきゃ」
とあたしはバタン!ロッカーを勢いよく閉めた。
「決戦の日?何それ」と戒が不思議そうに聞いてきて
「…いや、今日リコと会うからさ~」と多くは説明せずに言うと
「ああ…」と戒はすぐに分かったみたい。てことは響輔とイチが付き合いはじめたこと、戒も知ってたんだな。まぁ響輔が戒に報告しないってことが考えられないけど。
「お前…川上から何か聞いた?」と戒に聞かれ
「ううん、キョウスケから……リコにすぐ電話しようとしたけど、何かし辛くて…」
あたしが俯くと
「まー、あれだ?男女の仲ってのは時々どっちに転ぶか全く想像できないことがあるってことだよな~
それより『決戦の日』って大袈裟じゃね?」
と戒は苦笑い。
「てやんでぃ!!
お前は大したことじゃなくても
“乙女”にとっちゃ一大事なんだよ!!」
思わず戒の胸倉を掴んでゆさゆさ揺さぶっていると
「おはよ~ございまーす」と違うバイトが出勤してきて、あたしの暴君っぷりを見てバイトはドン引き。
「いや…!これはっ!!」
と慌てて言い訳するも
「お邪魔しましたー……」と、すぅっと消えてパタンと扉が閉じられる。
ああ゛っ!!あたしの明るいバイト人生が~!!
乙女……じゃなく、これじゃジャイアンだし!!
こんなんで決戦に臨めるのかあたし!