。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。



「キョウスケ……遅かった…」


『な』と言い切らない内に、助手席側から女……言うまでもなくイチだろうが、出てきて


キョウスケと同じようにバタン!と派手にドアを閉めてて、そのイチに向かって


「あんた!渋滞しとる情報知っとって俺に後半部分押し付けたんやろ!


おまけで両手足が吊りそうやわ!


何でマニュアル車なん!次車買う時はAT車にせぇ!」


とキョウスケが聞いたことのない声で額に青筋を浮かべて助手席の…降り立ったたイチに怒鳴る。


「うっさい!何であんたに指図されなきゃなんないの!


それに渋滞情報入手は旅の掟でしょう!」


と、イチもキョウスケに怒鳴り返し


「何なん!その掟っちゅうんは!法律でもあるんか!少しは気ぃ利かせろや!」


とキョウスケもそれに返す。


「は!?普通男が女に気を利かせるもんでしょ!」


「あんた!その発言、男女差別やで!!」


あ、あたしたちが一切口を挟む余地も無い程……壮絶な口喧嘩…


あたし…キョウスケがこんなに喋ってるの初めて聞いたよ…


しかも関西弁だから、妙な迫力もあるし…


戒を除く全員がその口喧嘩を見てぼーぜんと目を開いている。


戒が言ってた通りだ。車の中で大喧嘩…


てか!あ、あたしと戒んとこより激しいカップルだな!!


てか……今更になってリコの方を気にすると


リコ……!あんたどこ行ってんだよ!と言うぐらい顔色は白く、魂がどっか抜けているみたい。


「リコ!しっかりしろ!」


とリコの前で手をフラフラさせていると、はっ!となったリコが目をまばたき


「you……雑誌以上にきれいだけど


何かイメージと違った…」とボソっ。


あたしだって同感だよ。


でも、まぁこないだ龍崎グループ本社のエントランスホールで激しく鴇田に詰め寄っていたのを知ってるから、これがイチの通常なのだろうか…




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