。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。
「申し訳ございませんでした!」
マネージャーは俺の前で深々と頭を下げ、
「いや、別に謝って欲しいわけじゃない。ただ、何でそんなことをしたのか知りたいが」
ビールをグラスに注ぐことなく、直接缶に口を付けると
「youは……あの子は原石なんです。
とびっきりに輝く、世界一のダイヤそのもの」
マネージャーのやや誇張した言葉に俺は思わず苦笑い。正直、親の俺が言うのもなんだがイチが女優で成功するとは思ってなかった。
ただ、やりたいだけやらせたら納得するだろう、と思っていたぐらいだ。
だから、イチのことを親の俺よりも信じているマネージャーに、ちょっと意表を突かれた。
「私……あの子を一目見たとき、確信しました。
この子は絶対に輝く、と」
マネージャーは俯きながら、再び前髪を掻きあげ、俺は彼女の一向に減っていないビールのグラスにつぎ足そうとすると、彼女は慌ててグラスを両手で持って俺に差し出してきた。
「でも…女優って実力だけで這い上がっていける優しいものじゃない。きれいごとだけじゃ成り立っていけない。
例えどんな汚いことを利用しようと、どんな卑怯な手を使おうと、這い上がってはいけない。
youは大事な時期なんです。今度大々的にお披露目をした後は、立て続けにドラマや映画、CMに出て一気に名前を売れる。
けれどこんな大事なときに……だからこそ、少しでもyouへの黒い噂を持ち込むわけにはいかないんです」
「黒い噂―――と言うのは、イチがそのアイドルを引きずり降ろすためにリークした、と」
「誰がどう見たってそう思われます」
マネージャーのキッパリした意見に、俺は微苦笑を浮かべて小さく頷いた。
「あなたは先回りした、それだけのことだ」
缶ビールを飲み干し、一本だけのつもりがダメだな…一杯やるとそれだけに留めておけなくなる。
俺は腰だけを捻り、背後にあるチェストからウィスキーのボトルを取り出した。