恋人は社長令嬢
「あ、愛?愛?…」

「那々香様、しっかりして下さい!」

半分伸びている那々香を、相模原兄が揺らした。


「もしかして梨々香ちゃん、この前言ってた人と…」

埜々香が恐る恐る聞いた。

「そう。見事Getしたの。」

「すごい!梨々香ちゃん……」

彼氏のいない埜々香は、それだけで尊敬の眼差しを、梨々香に送った。


「……いつまで続くんだか。」

那々香の発言に、梨々香がピクッとなる。

「ずっと続くもん。」

「さて、どうかしらね~。」

「分かるんだから。あの人は、私の運命の人だって。」


「「「「えっ!!」」」」

その瞬間、その場にいる全員が、声を上げた。


「いやあん、梨々香ちゃんったら!」

埜々香は、こういう話に弱い。

「まっ、百歩譲ってそうだとするわ。」

「百歩譲らなくても、そうなの!」

那々香はこういう話を、一切信じない。

「あまり、あぐらをかかない方が、いいわよ。」

「どうして?」
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