終わったはずの恋だった。
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『デートでちゃんと好きって伝えるから』
約束から一年半ぶりに実現したドライブデート。
たまたま見つけた海を眺めていた満生に、秋は宣言を実行してくれた。
「好きだから。みっきのこと、大好きだから。付き合ってください!」
月並みな告白だが、満生の心を震わすには充分だった。
心の振動は瞼に伝わり、そんな満生を見つめていた秋は慌て始める。
「え!なんで泣く!?」
ポロポロと涙は満生の頬を転がり落ちて行く。女の涙を見慣れていない秋はアタフタしていた。
「……終わったはずの恋だった」
「ん?」
「もう叶わない恋だと思ってたんだよ!ばかぁ」
八つ当たりみたいに秋の胸をドンドン叩く。そんな満生の腕を秋が優しく掴んだ。
「……ごめん。お待たせしました」
「待たせすぎだよ。ばかぁ」
「うん。ごめんなさい。みっき」
終わったはずの恋だった。
もう叶わないと思っていた。
「これから、いっぱい大事にするから。許して、みっき」
だけど、叶った。
想いは通じた。
「好きだよ。秋くん」
「うん。俺も好きだよ?」
もしかしたらこの先、心がすれ違ったり、喧嘩してしまうこともあるかもしれない。
そんなときは、想いが重なった今日の日を思い出そう。
終わったはずの恋がまた動き出した奇跡を、何度でも信じよう。
そして、背中合わせのあなたの鼓動が聞こえない寂しさを感じたなら。
この想いを言葉にして。
何度だって、心をひとつに重ねよう。
*fin*
読んでいただき、ありがとうございました!
満生と秋が所属する研究室の助教、佐倉先生の恋を描いた【テイクアウトでお願いします!】を現在、更新中です。


