終わったはずの恋だった。

***

『デートでちゃんと好きって伝えるから』

約束から一年半ぶりに実現したドライブデート。
たまたま見つけた海を眺めていた満生に、秋は宣言を実行してくれた。

「好きだから。みっきのこと、大好きだから。付き合ってください!」

月並みな告白だが、満生の心を震わすには充分だった。
心の振動は瞼に伝わり、そんな満生を見つめていた秋は慌て始める。

「え!なんで泣く!?」

ポロポロと涙は満生の頬を転がり落ちて行く。女の涙を見慣れていない秋はアタフタしていた。

「……終わったはずの恋だった」
「ん?」
「もう叶わない恋だと思ってたんだよ!ばかぁ」

八つ当たりみたいに秋の胸をドンドン叩く。そんな満生の腕を秋が優しく掴んだ。

「……ごめん。お待たせしました」
「待たせすぎだよ。ばかぁ」
「うん。ごめんなさい。みっき」

終わったはずの恋だった。
もう叶わないと思っていた。

「これから、いっぱい大事にするから。許して、みっき」

だけど、叶った。
想いは通じた。

「好きだよ。秋くん」
「うん。俺も好きだよ?」

もしかしたらこの先、心がすれ違ったり、喧嘩してしまうこともあるかもしれない。

そんなときは、想いが重なった今日の日を思い出そう。
終わったはずの恋がまた動き出した奇跡を、何度でも信じよう。

そして、背中合わせのあなたの鼓動が聞こえない寂しさを感じたなら。

この想いを言葉にして。
何度だって、心をひとつに重ねよう。

*fin*

読んでいただき、ありがとうございました!
満生と秋が所属する研究室の助教、佐倉先生の恋を描いた【テイクアウトでお願いします!】を現在、更新中です。
< 23 / 23 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:4

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

訳あり結婚に必要なもの

総文字数/15,345

恋愛(純愛)27ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
結婚するのは お互いにメリットがあるから。 たとえそこに 恋愛感情がなくてもいい。 2019.4.4〜
太陽と月の物語

総文字数/64,391

恋愛(純愛)121ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
15年前のあの絶望の中で、 “真月が生きている” それだけが私の 最後の希望だった *ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー* 企画課の“太陽” 春川朝陽(はるかわ あさひ) * 企画課の“月” 八幡真月(やはた まつき) *ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー* これは 親友の恋人として 出逢った2人の 切なくて、不器用な 運命の恋のお話 【太陽と月の物語】 2019.7.24〜2029.1.22
俺様彼氏と不器用なクリスマス

総文字数/9,795

恋愛(純愛)15ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
「どんなお前も受け入れるから。お前は黙って、俺に愛されとけ」 2018.12.06〜2018.12.22 関連作品 【白衣と眼鏡と懐中時計】

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop