雨の日じゃなくても私は明日の君を好きになる
ーコンコンコン

「葉玖村ちゃん!あのね、これからケーキ食べるんだけどいる?葉玖村が好きなやつだよ!!」

そう言ってドアの前で話している大平さん。
私の好きなケーキ………。

ーガチャ

私はそっとドアを開けた。
そして………。

「………食べる」

ボソッと小さな声で言った。
伝わったかな?
ちょっと不安に思っていたんだけどそんな心配はなかった。

「じゃあ一緒に行こう!綴が準備してるから!」

そう言って私の手をとって歩き出した大平さん。
私は胸が高鳴った。

ートクン

ん………?
今………トクンっていった?
あり得ない。
そもそも何?
なんだろう。
私はわからない感情をそのまま………気づかないふりをした。
< 12 / 137 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop