お見合い夫婦の結婚事情~カタブツ副社長に独占欲全開で所望されています~
「…見せてみろ」

そう言って自分でプリンターへ向かおうとする蓮を真帆は慌てて止める。

「で、でもまだ、誤字脱字のチェックが終わっていないんです」

 そんな真帆を蓮は一瞬チラリと見たが、結局資料は奪われてしまった。そしてそのまま適当な椅子に座ると長い脚を組んで読み始める。
 蓮のフットワークの軽さは社内でも社外でも評判だった。とにかくレスポンスが速い。
 蓮のところへは内外から沢山の話が集まるが、彼はそれをよほどでない限り"保留"にすることはない。
 大抵はすぐに話を聞いて決断を下す。それができない時もいつまでに必ずと期限を決めて早期に問題にあたる。
 真帆の資料を明日見ておくなどと悠長なことを言わないでその場で目を通すという行動も、普段の彼からしてみれば当たり前のことだった。
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