お見合い夫婦の結婚事情~カタブツ副社長に独占欲全開で所望されています~
「副社長…」
一条がじろりと蓮を見た。
肝心の蓮はというとバツが悪そうに視線を外している。けれどすぐに気を取り直したように軽く咳払いして真帆を見た。
「す、すみません。変なことを…」
真帆は頭を下げた。
また思ったことをそのまま口にしてしまう悪い癖がでてしまった。本来であれば打ち合わせをしている二人の会話を止めること自体があってはならないことなのに。
「いや…そうだった、な。私の方こそ…申し訳ない」
真帆は彼の言葉に目を見張る。まさか面と向かって謝罪されるとは思わなかった。
嬉しいのか、恥ずかしいのかよくわからないけれど、頬が染まるのが自分でもわかった。
一条が口元だけで笑った。
「入江さん、以前この秘書室では副社長に女性社員たちが恋をしてしまって、仕事にならなくなったということがありましてね。それからずっとここには女性がいなかったものですから、少し警戒されてたんでしょう。…リハビリ期間だと思って許してあげてください」
一条の言葉に真帆は再び目を見張る。内容もさることながら、一条の彼に対する気やすさが意外だった。
蓮は余計なことを言うなというように彼を睨んだが何も言わなかった。
「い、いえ、変なことを言って申し訳ありませんでした」
慌てて言って深々と頭を下げると真帆は逃げるように副社長室を出た。
一条がじろりと蓮を見た。
肝心の蓮はというとバツが悪そうに視線を外している。けれどすぐに気を取り直したように軽く咳払いして真帆を見た。
「す、すみません。変なことを…」
真帆は頭を下げた。
また思ったことをそのまま口にしてしまう悪い癖がでてしまった。本来であれば打ち合わせをしている二人の会話を止めること自体があってはならないことなのに。
「いや…そうだった、な。私の方こそ…申し訳ない」
真帆は彼の言葉に目を見張る。まさか面と向かって謝罪されるとは思わなかった。
嬉しいのか、恥ずかしいのかよくわからないけれど、頬が染まるのが自分でもわかった。
一条が口元だけで笑った。
「入江さん、以前この秘書室では副社長に女性社員たちが恋をしてしまって、仕事にならなくなったということがありましてね。それからずっとここには女性がいなかったものですから、少し警戒されてたんでしょう。…リハビリ期間だと思って許してあげてください」
一条の言葉に真帆は再び目を見張る。内容もさることながら、一条の彼に対する気やすさが意外だった。
蓮は余計なことを言うなというように彼を睨んだが何も言わなかった。
「い、いえ、変なことを言って申し訳ありませんでした」
慌てて言って深々と頭を下げると真帆は逃げるように副社長室を出た。