琥珀色の夕焼け、空を映した青
出会えて、良かった
親愛なる姫様へ
この度は第一子御誕生、誠におめでとうございます。姫様似の男の子とお聞きして、さぞかし腕白にお育ちになるのだろうと――いやいや、陛下のような立派な後継者になられるだろうと、ディル・レイの農場のみんなが話しています。御父君も大層嬉しそうに初孫の写真を眺めておられました。
ナイジェル国王陛下の子煩悩振りをお聞きして、家内が羨ましいとぼやいています。ちょっと肩身が狭いです。いや、俺も子ども達大事にしてますよ? 来春、四人目が生まれます。
初めて俺が農場にお勤めに行った時、姫様が食べさせてくれた林檎の樹を覚えておられますか?
あの木、今ではかなり大きくなって、収量も倍以上になりました。こぼれ苗を植えた畑も果樹園と呼べるくらい立派になっています。農場のみんな、今でもあの木を『姫様の林檎』と呼んでいるんですよ。息子達の大好きな樹で、よく登って遊んでいます。
今年、収穫祭の時に果樹園の林檎を子ども達にプレゼントしました。ルディ殿下の発案です。身分無関係に先着順、えこひいきなし。かなり喜んでもらえました。来年は他の街でも実施するとの事。いつも姫様の後ろに隠れていた大人しい殿下が、いつの間にか立派になられて。てきぱきと指示を出す姿に御父君も感無量の御様子でした。俺の役目は毎年美味しい林檎を作る事。殿下のお名前が掛かっているのですから、何気に責任重大です。