メーティスの出会い



午後三時。透は目の前に現れた建物に唖然としてしまった。

怪しすぎるため行くか行かないかは迷ったものの、給料のよさに負けて行くことにしたのだ。タクシーに連れてきてもらった場所は、東京ドームがいくつも入るほどの大きさの建物だった。

「えっ……。ほんと、何の仕事?」

震える指で透は呼び鈴を押す。すると、「は〜い!」と明るい朝に会った女性の声がした刹那、立派な門がゆっくり開いた。

「どうぞ入って〜」

インターホンから女性が言う。透は「し、失礼します」とオドオドしながら中に入った。

建物の敷地内には、多くの植物が置かれていた。パンジーなど透が見かけたことのある花もあるが、多くは見たことのない植物だ。

「うわぁ……!」

三階建ての大きなビルのような建物の中に入ると、植物だけでなくたくさんの動物が出迎えてくれた。犬や猫もいれば、カメレオンやリクガメなどもいる。

「カメレオンがペットってどんな職場なんだ」
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