恋に負けるとき
恋に負けるとき

ストーカーより愛を込めての巻



ズキズキ。



悪い頭が痛い。




教室で



おれの前の席に腰かけたタケが



ケータイいじりながら言う。



「お前若干ストーカー入ってね」



「マジか」



「うん。ギリギリ」



ショック。




あーズキズキ。



胸も痛い。



「ヤベェ。


もう、嫌われたかな」



でかいため息が出る。



「なりふり構わずだな。



そんけーするわ。



マジで」 



タケに尊敬されてもな。



机に身体投げ出すように



口をとがらせるおれに



「そんな好きなのな」



タケが言う。



だから、お前に伝わってもな。



田所さんにも



ちゃんと伝わってんのかな。



「ギリだけど」



わかったっつーの。



そこへユウキが来る。



「トオル。



お前やばいぞ。」



「?」



「何か、田所さん。



お前に告られて、



その気もないのに、思わせぶって



ちゃんと振ってないとかで。



何か、文句言われたりしてるらしいぞ」




「はあ?」



瞬間切れそうになる



「誰にだよ」



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