恋に負けるとき



「あのっ。あのっ。」



遠くから焦った声と



パタパタ。



走ってくる音。



田所さんが、廊下の向こうから












(チョコマカだから。)




やっと、俺たちのところにやってきた。



「あの。わたしがハッキリしないから。



悪くて



坂田さん(麻美)たちの言ってることは、 



多分…間違ってなくて」



息きらして



一生懸命


なぜか、



 俺を!


なだめようとする田所さん。



麻美たちは、



田所さんの底抜けの人の好さに




「何よ」って言おうとしたのに



面食らって、何も言えなくなっている。



「いこ」



やっとそれだけ言うと、麻美たちは




三人で連れ立って行ってしまった。



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