続・闇色のシンデレラ
お風呂から上がったら、日付が変わりそうな時間だったから、今日はもう寝てしまうことに。


でも寝る前にもう一度、と間接照明ををひとつ付けただけの暗がりの部屋で、寝っ転がってエコー写真を眺めていた。



「また見てんのか。飽きねえな」



そこに、仕事の連絡を済ました志勇がわたしに覆い被さるようにギシリとベッドに座る。



「飽きないよ、可愛いもん」

「……そりゃ男には分かんねえ可愛さだな。
ところで、つわりとかまだねえの?」

「んー、今のところ特に目立った症状はないかな。
でも、6週目くらいからひどくなるって人が多いっていうから、覚悟しとこ」



そう答えたものの、実のところ、これまで倦怠感や微熱に悩まされていたのは隠しようがない。


つわりは人によって症状が違うというから自分がどの程度になるか心配だし、未成年は流産の可能性も高いというから、本当はすごく怖い。



「なんかあったら言えよ?すぐ帰ってくるから」

「だめ。ちゃんとお仕事してください」

「いや、戻ってくる。
子育てするってなったら、新婚旅行も白紙になって、大学行きたいって夢も俺が潰したようなもんだからな」

「それは志勇がさっき言ったように、子どもができたのは2人がいたからこそでしょ?
旅行に行くことも、大学に合格することも、きっとすごく嬉しいんだろうけど、この子を授かったことの方がわたしはよっぽど嬉しい」



でも、これだけ祝ってくれる人がいて、こんなにも愛してくれる人がいてくれるんだ。


前向きにやっていかないと良い方向には進まない。
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