続・闇色のシンデレラ
SIDE 志勇


「……♪〜〜♪」



壱華が鼻歌を歌っている。

母子手帳を眺めながら、ベットの上で健やかな笑みを見せている。

このごろ壱華は気分が良さげだ。

現在、不自由な生活ではあるが、壱華はその中で精一杯を楽しんでいた。



「壱華」

「あら志勇、いつからそこにいたの?おかえり」

「ただいま。ずいぶんご機嫌だったから逆に声掛けづらくてな」

「え?そんなこと言って本当は、ニヤニヤしながらわたしのこと見てたんでしょ」

「言い方が悪い。妻を微笑ましく見守ってたと言え」

「ふふっ」



壱華は軽やかに笑うと母子手帳を閉じた。



「どうした?」

「わたしと話したいことがあるのかなと思って」

「ああ、別に。他愛のない話を駄弁っていたかっただけだ」

「そういうのもこの子が生まれたらないがしろになりそうだから、今話しておこうよ」

「……そんなさみしいこと言うなよ」




母親としての自覚が日に日に強くなる壱華。

まだ18にしてそこまで気負うことはないのに、いまだにそう考える俺は父親としての自覚が足りないのだろうか。

モヤモヤした感情をこしらえつつ、ベットに腰を下ろした。
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