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「あ、ちょっと待っててください!」

「おい!」

滝島さんの制止を振り切り、見えてきたコンビニに駆け込む。
こんなところの、しかもギリギリ間に合わせで済ませるのは嫌だけど、なにもしないのはもっと嫌。

「だから待ってって言っただろ」

すぐに滝島さんもコンビニに入ってきた。
レジで会計を済ませたばかりのチョコを差し出した。

「本当はちゃんと用意したんです。
でも、事情があって渡せなくなっちゃって。
わざわざ誕生日だからって食事にまで連れていってくれたのに、こんなのじゃあれですが」

「……嬉しい」

いきなりぎゅっと、滝島さんから抱き締められた。
ふわっと香る、微かな香水と彼の体臭の混ざった匂い。
なぜかそれに、あたまがくらっとした。

「伊深からチョコがもらえるだなんて思ってもいなかった。
嬉しい。
大事に食う」

私を身体から離し、目尻を下げてニコッと笑った滝島さんの、眼鏡の奥の影から笑い皺がのぞく。
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