呟くのは宣伝だけじゃありません!~恋も仕事もTwitterで!?~
さっきからドキドキと速い心臓の鼓動が落ち着かない。
けれどきっとこれは、ワインの酔いがまだ抜けていないからであって。

「そんな、たいしたものじゃないので」

「いや、たいしたもんだ」

今度こそ通りに出てタクシーを拾った。
滝島さんは窓の外を見たまま黙っている。
あんなに喜んでくれるなら、もっとちゃんとしたのを渡したかった。
せっかく買ったあれが英人に食べられてしまうのだと思うと腹立たしい。

「あの、寄っていきますか」

自分のマンションが迫り、一応、声をかけてみる。

「いや。
今日はこんな気持ちだと、本気で伊深を抱いてしまいそうだから」

「それって……」

――どういうことですか?

言い終わらないうちにタクシーが停まった。
< 148 / 279 >

この作品をシェア

pagetop