春学恋愛部
彼の決意
「待って、海斗……」
「無理」

柚果がソファーに押し倒された瞬間、海斗の肩越しに二人の写真が目に入った。
文化祭で柚果のクラスの写真館で撮影した写真は、何度見ても恥ずかしくなるくらいに寄り添っている柚果と海斗がいた。

あの日から、海斗は柚果にひたすらに甘い。
胸焼けしそうなぐらいに。

「ねぇ……」

「これ以上はしないから。柚果。キスだけ、いいだろ」
ちょっと甘えた声で言われると柚果は逆らえない。

「んっ」
海斗、いつからこんなに素直になっちゃったの、なんて蕩ける頭で考える。
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