春学恋愛部
「ライオン、見たいんだろ?」
自然に海斗が、柚果の手を取った。

手…繋いじゃった…。キスしたことあるのに、すごく恥ずかしい。
なんて考えると、柚果の頬が赤くなる。ライオンが肉を頬ばっている様子を、ガラス越しに間近で見る。

「ライオンって、海斗っぽいね」と、柚果が呟いた。

「は?」

「だって、あのタテガミやたら格好いいし。
オスは、ああやってごはん食べたらゴロゴロしてるでしょ?でも、何にもしないのかと思ったら、実は群れとメスを守ってる」

「…それ、誉めてんの?」

「うん!見た目も、中身も格好いいってこと!」
はっきり言われて、海斗はちょっと照れる。

いつもは格好いいなんて、言われ過ぎて鬱陶しいと思っている海斗。
なぜだか柚果に言われると嬉しい気持ちになった。
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