春学恋愛部
翌日。1年1組。

「それでは立候補のいなかった競技は、くじ引きで決めたいと思います」
学級委員が言う。

変なのに当たりませんように、と柚果は祈りながら、次々と黒板に書かれていく名前を見ていた。

えーっと、私は…。
仮装レースと、ロミオとジュリエット?
変な競技ばっか、くじ運悪いな……とため息をつきながら、海斗にLineを送る。

『体育祭、競技決まったよ。仮装レースとロミオとジュリエットだって』

海斗からの返信はない。

まぁ、海斗のクラスは授業中かもしれないもんね、とスマホをしまい、鈴花に話しかける柚果。

「鈴花は何になったの?」

「私も仮装レースと、800メートル走。何か地味だよねー。正樹くんは、リレーとかいっぱい出るみたいだし、応援に専念しよっかなぁ」

正林先輩の話をする時の鈴花、すごく幸せそうだなぁ、なんて柚果は思っていた。
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