あの日の約束を
「俺は卑怯だ…」


「……」


「俺はあの会社の事情を知っていたから…
それを理由に愛梨を側に置いた
側にいるだけで幸せだった…
涼の代わりでも愛梨の側にいる事が出来るなら
だけど幸せと感じれば感じる程…
涼が気になった…
辛かった…涼に後ろめたさもあった
もし涼が目覚めたら…毎日不安だった…
本宅に行かせなかったのも涼がいたから…
あの日本田に涼の事を聞かされた…
指が少し動いたと…俺はどうしていいか
分からず酒を飲んでごまかした
それで帰ってからお前を抱いた…
俺のものにしたかった…すまない…」


「.……」



「俺は罪悪感から毎日浴びる様に酒を呑んだ
自暴自棄になった…
毎日女も抱いた…
お前を傷つけてしまって…自分なんかどうでも
いいと思って…
本当にすまない…
お前が望むなら離れてもいい…」


今まで見たことのない剛の姿だった


こんなにも私の事を…


だけど…私は剛の側にいられない


お兄ちゃんの側にいたい!


「時間を下さい…」


「あー」


「お兄ちゃんの側にいていいですか?」


「あー」


「ありがとうございます」


「明日本田に荷物を持って来させる
親父達にも伝える」


「はい…」


剛はマンションに帰った
< 48 / 102 >

この作品をシェア

pagetop