【完】ボクと風俗嬢と琴の音
7.晴人「強いと強がるは似ているようで全然違う」




7.晴人「強いと強がるは似ているようで全然違う」







お昼休み。
パソコンの前で弁当を食べながら、仕事。
忙しい。ゆっくり食事も取らないほど
それほど最近仕事にやりがいを感じてきた。



木村さんの本音を出張で聞いた事もあるのかもしれない。
…俺って単純だな。


就職活動の頃。
せっかく東京に出てきて、親に苦労を少しでもかけないように国立大学に進み
その国立大学も結構名の知れた大学で
せっかく就職するのであれば、世間で一流企業と呼ばれる会社で働きたい、と決めていた。


エントリーしたのは
皆一度は目にした事のある、有名なお菓子メーカーとビール会社など。
食品系の会社に興味があった。
世間で一流と呼ばれる会社であればどこでも良かった。
それが親への恩返しになると思っていた。



そして、1番初めに内定を貰えたこの会社に決めた。
1番の希望はとあるビールメーカーだったけど、そこは2次試験かなんかで落ちた。
人生はそんなもん。


会社でも目標なんてものは本当はなくて、とりあえず東京で一流企業で働きたかった。
だから仕事をしていても楽しさもやりがいもいまいち感じていなかったけど、最近はその気持ちも少し変わりつつあった。


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