【完】ボクと風俗嬢と琴の音
10.琴子「涙なんて喜びの感情以外で流すべきではない」




10.琴子「涙なんて喜びの感情以外で流すべきではない」






何でこの仕事をしているんだろう。
何となく―――――。
どこにでもいる普通の子だったのに
風俗にいるのなんて普通の子ばかりだよ―――――。
でも世間はそうは思わないよ。
普通の子が風俗嬢になって変わっていってしまうんだよ―――――。





「あ、ココちゃん久しぶり~」



電話が鳴らない事務所。
どうやら今日は客入りが余り良くないらしい。

その中でも人気嬢はフリーの客につけられて
わたしのような中堅嬢は事務所待機。

久しぶりに同僚のミコちゃんに会った。



「ミコちゃん~ほんとぉ久しぶり~」



友達ではないけど
待機で会えば話くらいはする仲であって

ミコはちょっとふっくらしているけど
目が大きくて可愛らしい子。
今の恋人?はドライバーの澤田くん。



「なんかぁ~店長から聞いたけど~最近ココちゃんの事がお気に入りのお客さんがいて
大金持ちなんだってね!」



ミコは目を輝かせながら言った。

あぁ、大輝の事か。

大輝はお金持ち?なのか?
まぁお金を持ってるのは間違いないけど
親の会社だし、大輝がお金持ちっていうより、大輝の親がお金持ち?

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