エリートパイロットの独占欲は新妻限定

「なにそれじゃ、私の目の前にいるのは真島由宇なの?」
「そうなります」
「うっわー、本当に信じられない。あの真島さんが旦那様なんてー」


佐奈が驚くのはわかるが、一番びっくりなのは自分だ。恋人期間もないまま結婚する未来があるなんて、誰が想像したか。そもそも結婚自体、考えられないずっと先の話だったのに。


「明日から一緒に住むんだ?」
「うん」
「ひとつ聞いていい?」


真顔の佐奈が顔をぐっと近づける。


「真島さんとセックスした?」
「――ぶっ」
「ちょっやだ! なにやってるのよー」


直球の質問に飲んでいたウーロン茶を吹き出した。といっても少量だ。
ティッシュペーパーで拭い、なんとか事なきを得る。


「佐奈が変な質問をするからでしょ」
「大事な話じゃないの。これから一生真島さんとだけしかセックスしないんだよ?」
「……お願いだからその言葉を繰り返さないで」
< 54 / 160 >

この作品をシェア

pagetop