エリートパイロットの独占欲は新妻限定


あまりにもストレートすぎて心臓に悪い。


「で、したの? してないの?」
「してないってば」


佐奈の体を押し返した。
まだキス止まり。それも舌を絡めたりするようなものはまだ。軽いキスだ。


「じゃあ明日は初夜?」
「だから、そんな話はもうやめて」


じつは由宇自身もそれに関してはドキドキしているのだけれど。だからこそからかわないでほしい。


「あの真島さんだから経験も豊富だろうし、きっと上手なんだろうなぁ」
「佐奈ってば!」


遠い目をしてうっとりするような顔はやめてほしい。
智也が恋愛経験豊富なのは簡単に想像がつくし、由宇もまさにそんなふうに考えていたためいたたまれなくなる。


「いいな、由宇」
「本当に勘弁して」


顔が熱くてたまらない。両手でパタパタと風を送ってみるが、当然ながら効果はゼロ。

そんな由宇を佐奈はおもしろいものを見るような目で見つめた。
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