【完】君に惚れた僕の負け。
「やめろまじで!」



じゃーっと水で流し始めたけどもう遅いよ?



あたしの両手はすでにうごめく戦闘モード。



「いっきまーす!」


「言うからやめろ!」



その声で、ピタッと手を止めた。



「なに?5・4・3・2」「だから……」




鏡ごしの朱里くんの視線がすこぶる低い。




「俺の方が先に帰ってた方が恋々は寂しくないかなって勝手に思ってて。

今日は居てやれなかったから。つい。“遅くなってごめん”って言いましたそれだけです」





最後はヤケのような早口だった。



「……え」



とくん。と心臓が動いて。




あたし、朱里くんのほうを見れなくなった。




「そ、そうなんだ」



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