大人になんて、ならないで。
隣に並ぶ真矢くんが、柔らかく笑った。
普段は大人っぽい真矢くんだけど、
笑った顔は、少し幼さが残ってて、高校生って感じがする。
「やべ、あんまり姉ちゃん待たせると怒られちゃう。
早く買い物済ませて帰ろ」
スマホで時間を確認した真矢くんは、ぎゅっと強く私の手を握る。
早く行こうと言ったわりには、
仕事終わりの私に気を遣って、歩くスピードは合わせてくれる。
……そういうところが、優しいんだよね…。