恐怖症、克服しますっ!
チラシを配り始めて、10分くらい経っただろうか。
「おはよう」
後ろから突然挨拶される。
「おはようございま……、あ。一条くん」
振り返ると、一条くんが立っていた。
「ダンスの宣伝?」
「そ、そうなの」
先日の文化祭準備の日から、初めて交わした言葉。
私は気まずさと、声をかけてもらえた嬉しさで一条くんの顔をまともに見ることが出来ない。
「葵がチラシを作ってくれてねっ。みんなに配っているんだ」
一条くんにもチラシを手渡す。
チラシを受け取ってくれる一条くん。
そのまま、教室に向かうのかなぁ、と思いきや。
「男にも……、チラシ配っているの?」
「そう、だけど……」
なぜか沈黙。