もう一度あなたに恋をする
定時になり久瀬のチーム全員と高木さん、大槻さんを会議室に集めた。

「滝沢さん、何があったんですか？今朝から滝沢さん様子が変です。」

俺も平常心を保っていたつもりだったが皆には何か違うとバレていたか・・・。

「九条さんの容体が今朝急変し緊急手術になった。」

今わかっている九条さんの状態を伝えた。
九条さんをとても可愛がっていた松本さん、笹井さん、大槻さんは抱き合いその場で泣き崩れた。その他のメンバーも放心状態となっている。

ガタン！

立花さんがふらつき壁にもたれかかり震え出した。彼女は九条さんと仲がいい感じではなかったが、やはりショックが大きいのだろう。
『大丈夫か？』メンバーが声をかけるが様子がおかしい。何か一人ブツブツと喋り出した。

「死にそうになるなんて思わないじゃない。私は悪くない、あの子が、あの子が悪いのよ。そうよ、少し仕事が出来て佑さんに気に入られてるからって・・・私は・・・」

その場にいた全員が彼女の言葉を聞き凍り付いた。

「あんた！朱音になにしたの！自分の出来の悪さ棚に上げて、久瀬さんに相手にされないのを朱音のせいにして！朱音になにかあったら許さないから！」

松本さんが立花さんの胸ぐらに掴みかかり大声で叫んだ。

「わるい、彼女を連れて社長の所に行くから後はお願い。」

松本さんを立花さんから離し、チーフ二人にその場を任せ社長室に向かった。


立花さんを連れてきた俺と彼女の様子を見た社長も何かを感じ取ったのだろう。
その後の予定を急遽キャンセルするように秘書に命じた。

話を聞こうにも今のままではムリそうだ。

「立花さん、とりあえずお茶でも飲んで少し落ち着こう。」

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