もう一度あなたに恋をする
二月一日、復帰だ!
朝の満員電車に乗せるのは心配だと久瀬さんが家まで車で迎えに来てくれた。いつも車通勤だからと。そして帰りも送ると。さすがに仕事を中断してまで送ってもらうのは申し訳ないからと何とか断り、家に着いたら帰宅確認の連絡を入れる事で納得してもらった。
この前から思っていたが、この人、親よりも過保護だ・・・・。
オフィスに入るとチームのメンバーが満面の笑みで迎え入れてくれた。
「みなさん、大変ご心配をおかけして申し訳ありませんでした。また今日から頑張りますのでよろしくお願いします。」
みんなに挨拶を済ませ席に着いた。すると前にもらったファイルに載っていなかった女性が近づいてきた。
「初めまして、大塚華乃です。一月から寺川班のアシスタントとして入りました。よろしくね。」
「はい。九条朱音です、よろしくお願いします。」
パソコンを確認し終えた頃、久瀬さんが書類を持ってデスクまでやって来た。
「これ、ゆっくりでいいから作ってくれる?少しでもしんどくなったらムリせず休憩もとって。松本さん、きっと集中し出したらムリするから時々見ててくださいね。」
「もちろんです!」
そう夏樹さんに私の監視を頼み私の頭をいつもの様に撫で自分のデスクに戻っていった。
するとその様子を見ていた大塚さんが不服そうに声を上げた。
「なんで九条さんには佑が指示を出すの?私にはリーダーに聞けって言ったじゃない。九条さんのリーダーは森谷さんでしょ?」
隣にいる東山さんも『あー』と困り顔だ。
それより『佑』?久瀬さんの事だよね?
「プロジェクトの仕事だからでしょ。それよりこの前も呼び方注意されてたよね。」
みのりさんが苛立った声で答えた。そんなみのりさんの言葉も耳に入って無いのか
「二か月も休んでたのにプロジェクト外されないの?体調も気遣いながらしなきゃならないのに?私が代わろうか?佑も大変ね。」
久瀬さんをはじめチームのメンバー、その声が聞こえたであろう他の人達も眉をひそめている。何だか部内の雰囲気が悪い・・・。
とりあえず私はみんなに迷惑をかけないよう仕事だけはちゃんとしなきゃと気持ちを入れ替えパソコンに向かった。
「久瀬さん、出来ました。」
久々の仕事だったが依然と同じようにこなせた。プロジェクトの進行状況も休みの間、久瀬さんが教えてくれていたので手渡された資料の内容も理解できた。それでもOKが出るかドキドキする。
「うん、いいよ。これ俺のパソコンに送ってくれる?」
「よかった。すぐ送りますね。」
その後は森谷さんの指示で通常業務をこなし定時になった。もう少しと思っていたら『九条さん、当分は定時あがり。約束忘れた?』と久瀬さんの強制終了で帰宅させられた。
朝の満員電車に乗せるのは心配だと久瀬さんが家まで車で迎えに来てくれた。いつも車通勤だからと。そして帰りも送ると。さすがに仕事を中断してまで送ってもらうのは申し訳ないからと何とか断り、家に着いたら帰宅確認の連絡を入れる事で納得してもらった。
この前から思っていたが、この人、親よりも過保護だ・・・・。
オフィスに入るとチームのメンバーが満面の笑みで迎え入れてくれた。
「みなさん、大変ご心配をおかけして申し訳ありませんでした。また今日から頑張りますのでよろしくお願いします。」
みんなに挨拶を済ませ席に着いた。すると前にもらったファイルに載っていなかった女性が近づいてきた。
「初めまして、大塚華乃です。一月から寺川班のアシスタントとして入りました。よろしくね。」
「はい。九条朱音です、よろしくお願いします。」
パソコンを確認し終えた頃、久瀬さんが書類を持ってデスクまでやって来た。
「これ、ゆっくりでいいから作ってくれる?少しでもしんどくなったらムリせず休憩もとって。松本さん、きっと集中し出したらムリするから時々見ててくださいね。」
「もちろんです!」
そう夏樹さんに私の監視を頼み私の頭をいつもの様に撫で自分のデスクに戻っていった。
するとその様子を見ていた大塚さんが不服そうに声を上げた。
「なんで九条さんには佑が指示を出すの?私にはリーダーに聞けって言ったじゃない。九条さんのリーダーは森谷さんでしょ?」
隣にいる東山さんも『あー』と困り顔だ。
それより『佑』?久瀬さんの事だよね?
「プロジェクトの仕事だからでしょ。それよりこの前も呼び方注意されてたよね。」
みのりさんが苛立った声で答えた。そんなみのりさんの言葉も耳に入って無いのか
「二か月も休んでたのにプロジェクト外されないの?体調も気遣いながらしなきゃならないのに?私が代わろうか?佑も大変ね。」
久瀬さんをはじめチームのメンバー、その声が聞こえたであろう他の人達も眉をひそめている。何だか部内の雰囲気が悪い・・・。
とりあえず私はみんなに迷惑をかけないよう仕事だけはちゃんとしなきゃと気持ちを入れ替えパソコンに向かった。
「久瀬さん、出来ました。」
久々の仕事だったが依然と同じようにこなせた。プロジェクトの進行状況も休みの間、久瀬さんが教えてくれていたので手渡された資料の内容も理解できた。それでもOKが出るかドキドキする。
「うん、いいよ。これ俺のパソコンに送ってくれる?」
「よかった。すぐ送りますね。」
その後は森谷さんの指示で通常業務をこなし定時になった。もう少しと思っていたら『九条さん、当分は定時あがり。約束忘れた?』と久瀬さんの強制終了で帰宅させられた。