いちご
「上がれよ」
タクシーはすんなりと瑠衣斗のマンションに到着し、瑠衣斗の後に続いて仕方なくタクシーから降りた。
躊躇する私を、瑠衣斗は私の手を引いて部屋までやって来てしまい、ドアを支えて私を見下ろしている。
「お、お邪魔しま、す」
何だか強引な気がする瑠衣斗は、依然不機嫌そうだ。
何でそんなに機嫌が悪いのか、全く意味が分からない。
段々と自分の気持ちが沈んできてしまうようで、気が滅入る。
瑠衣斗は廊下に立ち尽くす私を通り越し、リビングへ向かい、仕方なく私も瑠衣斗の背中を追った。
「適当に座ってていいぞ」
ソファーに荷物を下ろすと、私に目を向けないでキッチンへ入っていく瑠衣斗に、胸がギュッと締め付けられるようだ。
「……分かった」
何さ。本当にるぅって意味分かんない。
深い溜め息を吐きながら、ソファーに腰を下ろしてテレビを付けた。
特に会話をする事もなく、無駄に胸が締め付けるようで居心地が悪い。
慶兄にメールでも入れておこうと思い、携帯を鞄から取り出し、開いた画面には折り返しの連絡はなかった。
そのままメールを簡単に作成して送信し、鞄へ携帯を戻してソファーに体操座りするように膝を抱え込んだ。