いちご


瑠衣斗の首元に、顔を埋める形になった。

全身が瑠衣斗の香りに包まれているようで、自分の心臓がドキドキと加速するのが分かったが、瑠衣斗の心臓もドキドキと鼓動している事に気付いた。


瑠衣斗の熱い唇が、自分の首に触れている。


「る…う?」

「あったけえ。もも」


瑠衣斗が話すと、唇の動きがダイレクトに伝わり、熱い吐息にピクッと背中がしなる。


頬に瑠衣斗の固い髪が触れ、身体中に瑠衣斗の温もりが伝染してくる気がした。


「お礼はもうもらったからいい」

「もうもらった…?」


え?何かあげましたっけ?


「慶兄にはいらねえぞ」

「そっ…なんで」

瑠衣斗の唇が首に触れているので、くすぐったい。

「仕事だからな」

「そーゆうモン?」

「そーゆうモンです」


な、なるほどね。


「もう寝ろ」


…この状況で!?


「ん…うん」


返事をすると、ぐっと力を込められた。離してくれそうにない。

ここは寝てしまった方がいいのか!?


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