いちご


るぅはまだ寝かしといてあげようかな。


そう思い、カーテンを閉め、瑠衣斗の様子を見ようと体をひねった。


「おはよ」

振り返ると、ぱっちり目のあいた瑠衣斗が私を見ていた。

「あれ!?起こした?」

「起きてた」

「…え」


いつから!?


口元の端を上げ、嫌らしく笑うと片手を上げてちょいちょいと手招きした。


こっちへ来いと言ってるらしい。


「足冷えちゃってるだろ。来いよ」

「大丈夫ですっ」

ぷいと前を向き直り、俯いて自分の足元を見た。

「うぃっ!?」

その瞬間、お腹に腕が周り、グイッと引っ張られたかと思うと、ぐるんと視界が回転した。仰向けにさせられ布団の中にいた。


「まだ一応病み上がりだろう?」

そう言った瑠衣斗は、私に馬乗りになって私の両手を片手で押さえ付けている。


実に楽しそうだ。


「ちょっと~!!」


朝から刺激が強いんでないか!?

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