いちご
爽やかな風か頬を撫でて、外の眩しさが目にしみた。
ドアに向き直り鍵をすると、石段をゆっくり降りて車を目指した。
黒の瑠衣斗の車が目に入ると同時に、車の正面にしゃがみ込んでタバコをふかしている瑠衣斗が目に入った。
「お帰り」
「…ただいま」
口元だけでふっと笑うと、私の返事を聞いて立ち上がった。
「行くぞ。乗れよ」
そう言ってタバコを加えたまま運転席へ乗り込む瑠衣斗を見送り、続けて私も車へ乗り込んだ。