腕の中の静けさは・・・
「警戒心とかないのかね?」

「あん?」

「オマエの娘だよ(笑)」

「だよな、、いつもそーなんだよ。心配でたまんね、、、」

「だろーな笑」

「笑い事じゃない」

「ん、だろーな。プッ(笑)」

「・・・・・はぁぁぁ。。」


「家にふたりもあんなのいたらなぁ・・・心配でたまんねーよな(笑)」




やっぱり笑ってるウビン。






そーそーそんなとこも似てる・・・
今オレたちの視線の先にもまったく警戒心のない笑顔を振りまいてる愛しい人。






「見てみろよ、笑える。同じ顔してんぞ。ぷはっは(笑)」
オレを指さして大笑い。


ニコニコ笑う天音の横で少し困った顔のシオン。

だろうね・・・
心配っすよねシオナ・・・









「シオンく~ん、カノンちゃ~~ん、また結婚式でね~~」っていう声に

「ばいば~~い」って手を振るカノン。
そのカノンの手を引きながらペコって頭を下げるシオン。



「ふたりとも笑えるよ」

「えーなんでぇ~」


「顔はおもいっきりシオンはユソンだし、カノンちゃんはオマエじゃん。」

「だね(笑)」

「でもさ、性格は、、ん、、、なんてぇ~ゆうのかオマエたちのいい所も悪いところも?(笑)、、
ふたりにうまぁ~~い具合に振り分けられてるなって・・・(笑)」



「なによそれ(笑)」

「最高ってことだよ」

「さんきゅぅ~~」ってウビンに抱きつく愛しい人。




まったく・・・誰にでも抱きつくし誰にでも抱きつかれる・・・

はぁ。。。。。。





ウビンにマンションまで送ってもらう。









ガチャ。


ゆっくり開く扉を待ちきれないカノンが力任せに開く。

「わぁーーーカノンあぶない!」

シオンがカノンの手を引き寄せた。



「ね、ね、ゆそな?ここカノンのおうち?はいってい?」

オレを見あげるカノンを抱き上げた。



「うん。カノンのおうち。」

「ほんと?」

「うん」



「シオナ~~~」伸ばした手をシオンが握る。




「いこっか」

「うん」









カノンの記憶の中にココはまったく残っていない。

当たり前だけど・・・・・



でもシオンは違う。

2人の背中を天音と手を繋いでゆっくり追いかける。



リビングの扉を開くとそこにはあの頃と同じ風景。
シオンが懐かしそうにゆっくり部屋を見渡す。


「あ!公園だ!!」

シオンの手を離れ窓ガラスにへばり付くカノン。









「本当になんにも変えなかったんだね~あの子たち(笑)」

「うん。みたいだね」



「オンマ、、、アッパ、、」ってシオンが振り向いた。


天音がシオンに近づく。



「ボクおぼえてる、、ここでボクいっぱいあそんだ」

「ん・・・」


一角を見つめるシオン。








マンションは本当にオレたちが生活していたまま。

なにも変えずに使っていたようで、すぐに子供が生まれたらしく
シオンの遊び場もそのまま残っていた。


天音の手を引きながらゆっくりそこへ向かうシオン。

座って壁に寄りかかるふたり。




「なにしてるの?シオナ?オンマ?」




ニコニコしながら天音とシオンの間にすこーーしだけあった隙間に入り込んだカノン。

そこに?(笑)



本当に少しの隙間だから身体の前で両腕を重ね細くなってるカノン。


もぉおかしすぎ(笑)


オレの顔を見てクスクス笑いながら動こうとしない天音(笑)
そんな天音に笑いながらオシリを少しだけずらしたシオン。


ほんとっ、イイ男っすね。


「ゆそな~~~~~写真とってぇ~~~~」って。



どうせならってシオンの隣に座ったオレ。
スマホで撮った写真を「ハラボジに送るの」ってピコピコしてるカノン。



「なぁー?」
「ん?」

シオンがオレを見る。


「送れるの?」

「うん(笑)」

「まじ?」

「ん、送れるようになったの」



少しすると鳴り出すスマホ。





【はーーーいカノンです】って。
時差なんて関係ないカノンだけど、たぶんアボジ(笑)





忙しかった1日。
疲れきった子供たちはいつもより早く眠ってしまった。






「少し飲もっか」ってワインを持ってきた天音。

「どうしたの?それ」

「部長がくれた(笑)」




「明日たのしみだね」

「ん~正木緊張しまくるんだろうな」

「・・・(笑)目に浮かぶっすね」

「うん。あ!ユソナ。カメラ忘れないでね」

「任せてよ。わが子の晴れ姿っすよ。ばっちり撮るよ」







ふふって笑った天音をカメラにおさめた・・・。




















< 164 / 308 >

この作品をシェア

pagetop