腕の中の静けさは・・・
「ねぇ?ユソナ(笑)」

「ん?」

「みて(笑)」って言いながら天音が自分の薬指をピコピコ動かしながらウビンに視線を送る。



半年前に彼女ができたらしいウビンの薬指にはリングが光っていた。


「うまくいってるんだ(笑)」

「どーゆーいみですかぁ~~~~」ってテレながら荷物を車に積み込み始めたウビン。



いっチョ前にテレやがって。笑える。

本当にいいヤツなのになかなか特定の人が出来なくてオレも天音も心配していた。

イケメンなのにいい人で終わるパターンが多くて『なんでだろ・・・』って落ち込むウビンを何度も見てたから・・・

今は幸せそうで、このままうまく行けばいいねって天音と話していたんすよね。
今のウビンの顔を見る限り順調のようでうれしかった。


車の中で目を覚ましたカノン。
人見知りとは無縁のカノンは初めて見るウビンに興味津々。

「おっぱ~!!」とか言っちゃってる。
言わせたのはウビンなんすけどね。(笑)




車を降りたシオンがこっそりオレに笑いながら

オッパ(お兄ちゃん)なんて言われたことないよボク(笑)」って(笑)



ウビンに抱っこされながら社内に向かうカノンはキョロキョロ落ち着きがない。
ウビンとカノンの後ろから着いてゆくオレと天音とシオンは顔を見合わせながら笑いが止まらない(笑)


「ヘンな親子っすね」

「うん。(笑)」

「でもカノンはやっぱりかわいいよ。ボク大好き」


天音と顔を見合わせたオレ。(笑)





部屋に入ると一気に騒がしくなる。

「きゃーーーーーかわいい」
「せんぱ~~~~い」
「ふたりともそっくりだな」
「おかえり~」

たちまち囲まれたカノンは「ゆそな~~~~~」って叫んでる(笑)


「ユソナだってぇぇ~かわいすぎ(笑)」



「あっぱ、ボク行って来る」

「ん、頼んだよ(笑)」

「うん」


いつも救世主オッパシオン!!



「あ~~~んシオナぁ~~~~~」
ウビンの手から離れてシオンに抱きついたカノン。

よしよしって抱きしめながら「パク・シオンとカノンです」って自己紹介をした


そのあとに「です!」って続いたカノン。まったく(笑)







相変わらずの温かな雰囲気の職場。

懐かしさにオレも天音も心が和む。

久々の元職場での短い時間。
顔ぶれには変化もあったけど懐かしさに変わりはない。





「元気そうだな(笑)」

笑顔で現れたソン部長。



「お久しぶりです」
「ぶちょう~かわらない(笑)」


「大きくなったな~」

「シオンね」

「ん~~、そのシオン。おまえ達の愛の結晶だっけ?」

「うんうん(笑)」

「おかげでオレは人事で大変な目にあったっけなぁ~~」


「そ~~~~だっけぇ???」

「とぼけんな」


って笑ったソン部長から逃げるように子供たちのところへ走って行った天音を部長の横で見ていた。





そしたら、「あ?いたの?」って・・・(笑)



「はい(笑)ずっといましたよ。ずぅ~~っとね。」

「(笑)すっかり家族してるんだな」

「どぉーっすか?オレの自慢の家族(笑)」

「娘しょうかいしろよ。にしても、そっくりだな(笑)」

「そっくりでかわいいでしょ。」




仲間の輪の中でオレの大切な宝物が笑ってる。

天音とシオンとカノン。





「ゆそなぁ~~~~~~~」


「きゃーーーーやっぱりかわいいぃ~~ゆそなぁ~~って」
若い子達は大騒ぎ。




「ユソナってオマエ、、はっは(笑)でもま、らしいな。オマエらしいよ笑(笑)」



「ゆそな~~ってばぁ~~」ってぷりぷり^^(笑)

ほっぺたをぷくぅ~って膨らませて抱きついてくる・・・カワイイ、、


たまんない。





「ん~~~?」って何でもないみたいに抱き上げたら隣で見透かしたように笑ったソン部長。




「ゆそな?」

「ん?」
「だあれ?」


隣のソン部長。
それだけでニヤニヤ顔がヤバイって(笑)


「カノンちゃん(笑)」

「うん?」

「おいで(笑)」ってオレの目の前に両手を差し出す部長。


その笑顔意味わかんねーし、行かねーし、行くわけねーじゃん!




「うん!!」




えーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!









すくって腕の中からいなくなった。

まじ?



この子、、、大丈夫っすかね・・・

ニコニコしながらカノンと話す笑顔の部長。
自分のデスクに連れて行った・・・ぁぁぁ。










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