腕の中の静けさは・・・
触れた手に感じる

天音が生きてるって確かな感触。






手に感じる温かさと
目の前に見える上下の動き・・・


ゆっくり立ち上がり顔をよせお腹にキスをした。







「ふたりとも無事でよかった、、、、」





抱きしめてもいいかな。

もっと近づきたくて気をつけながら機械を少し移動させた。



天音の顔のすぐそばに立ち見下ろした。







「テープ、、、口の周りカユイって怒ってそうっすね。」





「お腹減ってない?」


「結局昼メシ食べてないンすよね?」







「・・・・・・・・」

「・・・・」


「・・・ぅ、、、天音、、」








顔が見えるように前髪を小指でなぞる。

一瞬ためらったけど、・・・そのまま頬をなでた。





温かい・・・・

でもその温度は手とは違い温かいけど心配なくらい熱を帯びていた。




「パクさん?」


え?
いま、、


「あ、はい」


天音に視線を戻す。



さっき「パクさん」って呼ばれた時、触れる頬が少し動いた気がしたから・・・







「どうかしましたか?そろそろお時間なんで」

「いえ、、、ムリいってすみませんでした」



たぶん、、気のせい。








「また来るな。ウビンとがガリルと食事行ってくるよ」


視線を向けたけど何一つ変わらない様子の天音を確認して部屋を出た。



ガラス越しにもう一度・・・








出来ることならずっと、、ここにいたい。


「・・・・・・・」


「・・・・」





「はぁ、、、、怒られるっすよね。」


「食事して今夜は家で眠ることにする」

「また明日・・・」








後ろ髪を引かれる思いを振り切ってその場を後にした。









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