腕の中の静けさは・・・
「うぐぅぅ・・もぉ、むりぃーーーー助けて・・・ネッ、、、ユソーーーーン!!!!!」




オレの手を凄い力で握り泣きながら懇願するように助けを求めてる。









でもオレは声も出ないまま爪が食い込むほど強く握られた手を握り締め
反対の手で腕を摩ることしかできないでいた。




色んな言葉を叫びながら泣いてるから
呼吸はみるみるうちに乱れてきてマズイって思った。







「天音!!!!!!落ち着いて・・・ねっ、オレの声聞こえる?」








「ムリ!!!いやぁーーーーー助けてぇーーーイタ!!もぉーーー」







そんな会話の間も呼吸は乱れるばかりで、かなり焦る。


落ち着け!オレが落ち着け!!!


大きく一呼吸してもう一度アマネを呼んだ。






「天音、いい?オレ、、見える?」


んーーーって唸った天音がオレを見た。







「深呼吸しよっか。一緒にゆ~~っくり」


「・・・・・・・・」







はぁ、はぁ、乱れた呼吸を押し込めるようにオレを見つめたままの天音に

がっちり握られた手の指を1本1本離し自分の首に回させた。




肩で大きく呼吸をした天音が驚いた顔を見せるから

微笑んだままゆっくり抱きしめた。





ベッドに横たわったままの天音の頭を少し浮かせて腕を滑り込ませ
乱れた髪を直し、涙を拭い、汗を拭いた。


無言で語りかけるように大きく呼吸を繰り返すと
それに合わせて天音も大きく呼吸を繰り返す。



「そうそう上手。ゆ~~っくりね。うん、その調子」






オレの呼吸に合わせる様に一生懸命に呼吸をゆっくり繰り返す。

お互いの呼吸がゆっくりと重なっていく。





ぎゅって抱きつきながら徐々に元の呼吸に戻る天音が愛しくてたまらなかった。





「愛してるよ。世界で一番キミが好き」



って思わず口に出た(笑)オレに




「なっ、、こんな時にナニ言い出すのよ////」

なんて言った天音だけどその顔は笑顔で





「きれいだよ・・・ほんときれい」

「・・・・・やめてよ」

「キスしていい?」

「そんなことダメにっ・・・んっ」






・・・・・・・












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