腕の中の静けさは・・・
さっきまでの泣き叫ぶ天音の声が聞こえなくなった今

静まり返ったココにはオレ達以外にも何人か人がいる。







小さいリップ音


ふふって笑う声が背中の方で聞こえる。






その声が聞こえたのか

天音が慌ててオレを突き放す。



その顔は怒ってるけど柔らかい。







もう一度近付いて頬を包み込む。



「な、、に、、ヨ?」





「オレが二番目に・・・キミの次に好きな人だから・・・」

ハっとした天音の顔に笑顔を送る







「だからもう少しがんばって?」

「・・・・・ユソン」


さっき拭ったはずの涙がまた溢れ出す。






「ごめん。泣かせるつもりなかったんすよ?」

「もぉ・・・・・」

「どぉ?落ち着いた?頑張れそ?」

「うん。ごめんね。私がこんなんじゃダメね。」

「ん。オレは何も出来ないけど、そばにいるから・・・」





「ん。でも知ってる?」

「ん?」





「子供が生まれるとダンナさんは二番目になるんだって」



って本当にキレイな笑顔を残してまた叫び始めた天音。








またオレの手をこれでもかってくらい握り締め
爪が食い込む先が薄っすら赤くなっていた。




















オレは一番って言ったのに・・・

なに?さっきの?


そんな世間の一般論は聞いてない。




なんか思いのほか胸が痛い。

二番ってなに?


オレが?



二番になるって言うの?




んなわけない!

あるわけないじゃん!!



天音にとってオレが二番になんてなるわけないっすよ!

ないない!あるわけない!!




ずっとずぅ~とオレが一番に決まってる。





まだ見ぬ我が子にありえないくらいの闘争心が沸いて

天音の手を強く握り返した。






そしたら・・・・・













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