満月の夜異世界へと繋がりました
「美結……!美結!」


「くっ…苦しっ!」


「ごっ、ごめん!大丈夫か?!」


「だっ…大丈夫」


至近距離で微笑む王子にドキリと心臓が波打つ…
今更なんだけど私達って今、生まれたままの姿な訳で…もの凄く恥ずかしくなってきたあたしは包まっていたシ−ツをそっと引き寄せた

「どうした?何だか顔が赤いが気のせいか」


「だっ…だって!王子がそんなに見つめるから!あ、穴が空きそうだよ!」


「ふっ、惚れた女を見つめて何が悪い?」


え?今、何て?
頭の中が一瞬真っ白になる
するとタイミング悪くこの甘い雰囲気にそぐわないぐ~っと鳴ったお腹の虫……


「はははっ!!そうかたしかに腹が減ったな、」


も~何でこんな時に!!!
穴があったら入りたいよ~
でも、昨日の夜から何も食べてないから仕方ないじゃない!
あたしは笑いながら王子が呼び鈴を鳴らすのを見つめていた





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