満月の夜異世界へと繋がりました
いつの間に着替えさせられたのか溜息を一つ付くと木綿の薄いワンピースを見下ろした
無意識に自分の肩を抱き寄せると真冬でもないのに地下牢には得も言われぬ冷たい空気があたしの薄いワンピースを刺すように冷たい空気が肌をかすめていく
ゆっくり辺りを見渡すと天井近くにある小さな格子窓から見える日差しがかろうじて牢を照らしている
辺りを漂うツンとした得も言われぬ匂いに思わず口を噛むと手で口を覆った、すると横たわる一人の女と目が合う
その女は舌打ちをしたかと思うとそれが合図であるかのように周りの数人の女達があたしを目掛けて飛びかかってくる
羽交い締めされあっという間に見動きも取れない
わたしは呆気に取られただ女のギラつく瞳を見つめるしかなかった





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