満月の夜異世界へと繋がりました
「わたしというものが居ることを忘れているようですがあいにく王子には政務がまだ残っているんですけどね」


背後からの放たれた冷ややかな言葉に弾かれたように離れようとしたあたしだけど····王子は抱きしめたまま離してはくれない
ちょっと待って!!そうだった!!この部屋にはマイクも居たんだった


「無粋な奴だな、ここは気をきかせて退出するところだろ」

「ですが政務のほうはさぼったらさぼったぶんだけ仕事が滞り結果として美結さんと過ごす時間も削られると思いますが?」


「わかったわかった·····相変わらず融通の効かぬ男だな」
「褒め言葉と受け取っておきます」
「美結······護衛官に部屋まで送らせるが大丈夫か?」


「あ、部屋までならひとりでも平気だよ!!全然大丈夫」
「そうか?だが迷わずに行けるか?」
「子供じゃないんだし大丈夫!!王子は
政務のほう頑張って」


そう言って王子の部屋を出たあたし
迷うはずないよね、だって王子の部屋のすぐ近くだし!!でも部屋に行ったら何しようかな······この部屋の本は皆んな読んじゃったしな〜図書館で魔法関連の本を借りてきてもいいよね
なんて思いながらふかふかの絨毯が敷かれている廊下を歩いていると誰かが
目の前に立ち塞がった












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