満月の夜異世界へと繋がりました
「リリアナが辛くあたるのは俺のせいだ、美結のせいじゃない」

「王子・・・・「いまだになんの手がかりもない、リリアナはそんな俺を許せないんだろうなんで婚約者候補だった姉を捜索しないんだってな」


「でも、捜索は本当にしていないの?」

「密かに俺の手下を隣国にまで捜索しているがまだ見つかってはいない、このことは
王家の極秘事項であり知られてはいけないことなんだ。王家にもリリアナの家にも傷がつく・・・密かに捜索していることを知っているのは国王である父と俺・・・そして美結だけだ」


ふわりと王子の手があたしの髪を撫でる
一瞬秘密を共有していることでちょっと優越感に浸っちゃったけどこれは生死にかかわること・・・・シンシア様一体何処に・・・?
お嬢様であるシンシア様が彼とふたりで生きていけるんだろうか
現実的じゃないよね?ちょっと考え込んで途方に暮れる
あたしって無力だ王子の力になれない・・・・
落ち込んでいたあたしは目の前に視線を移す、ふと何気なく見ると大きな池が見えた
え?あれ・・・・?あれって・・・あの漂ってるのは・・・


「み・・・ミクル?」


水の精霊のミクルだ!
気持ちよさそうに池に浮かんでる・・・
一体どうしたんだろ?どうしてまたここに?


「ミクルだよね?え?ミクル!何かあったの?」
「えへへ・・・美結に会いたくて来ちゃったよ」
「え?あたしに会いたくって来てくれたの?嬉しいな」
「今日は神殿がざわざわ騒がしいからつい気になってね」
「神殿・・・?」


「美結?誰と話してる?「あ、えっと水の精霊ミクルと話してたのあたしに会いたくて来たみたいだけど神殿が騒がしいって言ってる」
「それは半年に一度開かれる祈りの日だからだろ今日は昼夜問わずに神官たちが祈りを捧げるんだ、見に行くか?」


王子のお誘いに二つ返事で行くことになった
シンシア様の安否もわかればいいな、祈ることしか今のあたしには出来ないけど。
軽い気持ちで行った神殿に意外な人物があたしを待ち受けていた


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